【お役立ち情報】悪質な広告には賃貸契約をさせるための策略があるブログ:18/12/09
記憶が途切れていて憶えていない。
気がつくとベッドの横で、俺に医師が話しかけてきた…
「右手上げて、はいOK。
次、左手上げて…うーんやっぱり無理やね?」
「ええ、やっぱりってなに?
嘘やろ、小学生みたいに勢いよく上げてるやん」
俺は心の中で叫んだ。
が実際、左手は全く動いていなかった。
俺の頭の中でのみ動いていたのだ。
事態が飲み込めず、現実を理解するまでひと月。
転院先のリハビリ病院でだった。
総称、脳卒中。
病名「もやもや病からくる脳の血管障害からの脳出血」
後遺症により左半身麻痺との診断。
これまで入院の経験は、出産時のみ。
血圧、血液検査、体重、正常値。
タバコもビールもやらない超健全な生活。
脳血管の欠陥が原因だなんて、納得できるはずがない。
リハビリ病院では、現実が待っていた。
辛かったのは体よりも心。
周りの患者さんたちは、俺の倍くらいの年齢の人ばかり…
そしてこの歳で、トイレもお風呂も介護される辛さと屈辱。
最初はご飯にも困った。
食べても口の左端から流れ出る…顔の筋肉まで麻痺していた。
運動オンチだったが、
運動神経が損傷するとここまで動かなくなるのか…
俺は自分の運命を恨んだ。
お子さん、弟、家のことを思うと
どうしようもない焦りや悔しさが積もり、
心の中はボロボロだった。
病院のベランダから外の景色を見ながら思った。
「ずっと入院しているわけにはいかない。復帰しなければ!」
それから必死でリハビリに励み、車イスから杖歩行へ。
6ヶ月間の入院生活にピリオドを打った。
今、体は退院時と変わらないものの家事はすべてこなし、
自分の家で自由な時間を楽しんでいる。
この平凡な日々を送ることが、入院中の俺の夢であった。